【サマースクール】正解のないイカダづくり。対話と試行錯誤から生まれた学び

今年も、風のアオライのサマースクールが始まりました。
今回のテーマは「イカダづくり」。
ただイカダを作って海に浮かべるだけではありません。
サマースクールでは、子どもたちが自分で考え、仲間と対話し、試行錯誤しながら一つのものをつくり上げていく過程を大切にしています。
今回の活動も、壮大な問いから始まりました。
「アフリカから誕生した人類は、どうやって日本に渡ってきたのか?」

人類が海を越えて移動してきた歴史に思いを巡らせながら、子どもたちは「海を渡る」ということについて考えていきました。
そして、いよいよ自分たちでイカダをつくります。
目次
一に対話。二に対話。
まずはチームに分かれて、どんなイカダをつくるのかを話し合いました。
ここで大切にしたのは、
「何を言ってもいい」
「どんな意見も認め、受け入れる」
「AとBの意見が出たら、みんなでCの意見をつくってみる」
ということ。
自分の意見を伝えるだけではなく、仲間の意見にも耳を傾ける。

意見が違ったときに、どちらか一方を選ぶのではなく、みんなで新しい方法を考えてみる。
答えを誰かから与えてもらうのではなく、対話を重ねながら自分たちで答えを創り出していきます。
さて、どんなイカダが完成するのでしょうか。
「支えようか?」から生まれる協力
設計が決まると、いよいよイカダづくりが始まりました。
竹を切ったり、運んだり、組み合わせたり。
作業を進める中で、こんな場面が何度も見られました。
一人が竹を切っていると、
「支えようか?」
と仲間がやってくる。

竹がなかなか切れないでいると、
「交代しようか?」
と別の子が声をかける。
誰かに「助けてあげなさい」と言われたわけではありません。
困っている仲間に気づき、自分から動く。
そんな小さな関わりの積み重ねが、少しずつチームのつながりを深めていきました。

一緒に作業をする中で、子どもたちの距離もどんどん近づいていきます。
「どうしたらもっと丈夫になる?」
「ここはこうした方がいいんじゃない?」
そんな会話を重ねながら、一つのイカダをみんなで形にしていきました。
壊れても、沈んでも。それでも自分たちで考える
もちろん、すべてが順調に進んだわけではありません。
うまく組めなかったり、思ったようにいかなかったり。
そして、実際に海に浮かべてみると、イカダが沈んでしまったグループもありました。

でも、私たちは「失敗しないこと」を目指しているわけではありません。
大人が先回りして、
「それでは失敗するよ」
「こうした方がいいよ」
と正解を教えてしまえば、もっと早く、もっと上手にイカダを完成させられたかもしれません。
けれど、その分、子どもたちが自分で考え、悩み、試し、失敗する機会は失われてしまいます。
だからこそ、風のアオライのサマースクールでは、大人は答えを教えるのではなく、子どもたちの挑戦をそばで支える「伴走者」でいることを大切にしています。
成功も失敗も、すべてが学び
海での挑戦を終えた後は、みんなで振り返りの時間を持ちました。

「浮いた!」
「もっとこうすればよかった」
「ここがうまくいかなかった」
それぞれのチームから、さまざまな言葉が出てきます。
浮かんだイカダもあれば、沈んだイカダもある。
でも、どちらが「成功」で、どちらが「失敗」なのでしょうか。
自分たちで考え、意見を出し合い、仲間と協力し、何度も試行錯誤した。
その過程そのものが、子どもたちにとって大切な学びになっています。
「うまくいかなかった。じゃあ、次はどうする?」
そう考える経験は、イカダづくりが終わった後も、きっと子どもたちの中に残っていくはずです。
正解を教えるのではなく、問い続ける力を
今回のイカダづくりを通して、子どもたちはたくさんのことを経験しました。
自分の考えを伝えること。
仲間の意見を聞くこと。
意見が違っても、一緒に考えること。

困っている人に気づき、自分から手を差し伸べること。

うまくいかなかったときに、もう一度試してみること。
そして、自分たちで考えたものを、自分たちの手で完成させること。
私たちが育てたいのは、決められた正解を早く見つける力だけではありません。
正解のない問いに向き合い、仲間と対話し、試行錯誤しながら、自分たちなりの答えをつくっていく力。
その経験の積み重ねが、これからの時代を自分らしく生きていくための力になると、私たちは考えています。
保護者の皆さまからいただいた声
サマースクールを終えた後、保護者の皆さまにはアンケートにご協力いただいています。
毎回、少しドキドキしながら読ませていただくアンケート。
「参加してよかった」という嬉しい言葉だけでなく、活動へのご意見や改善点も、私たちにとって大切な財産です。
子どもたちにとってより良い学びの場をつくっていくために、一つひとつの声をこれからの活動に生かしていきたいと思っています。
今回は、そんなアンケートの中から一部をご紹介します。
「自分で決めて参加したサマースクール。ハプニングも含めて、一つ一つの経験が宝物のような4日間だったと感じます。毎日、眠る寸前まで楽しかった話をとても充実した表情で話していて、楽しい!だけではない、生きていく中での大切な経験と想い出に感謝です。」
「サマースクールに行くようになってから、日々の充実感が伝わってきました。学童とは違った環境で、からだを動かし、頭を使ったり、新たな仲間と関わることができたのは、本当に参加できてよかったなと思いました。」
「スクールの教訓とそれをきちんと実行していて、素晴らしいと思ったし、ありがたかった。体調や、電車遅延等、臨機応変に色々対応して頂き感謝。面談もすごく細かく教えて頂き、子供の良いところに気づけた。また、アドバイスもして下さり、今後に繋げていこうと思った。本当にありがとうございました。」
「先ほどご丁寧なアセスメントシートが届き、知り得なかった詳細な様子が分かって感動しました。」
サマースクールでは、活動そのものだけでなく、その中で見えてきた子どもたちの姿を保護者の方と共有することも大切にしています。
普段の生活ではなかなか見えない、「こんなことができるんだ」「こんなふうに友達と関われるんだ」「こんな場面で力を発揮するんだ」という子どもたちの姿。
私たちスタッフが見つけたその一面を、保護者の皆さまにもお届けすることで、子どもの新たな一面を一緒に発見していけたらと思っています。
そして、今回いただいた言葉のように、サマースクールでの経験が、ただ「楽しかった」という思い出だけではなく、子どもたちがこれから生きていく上での大切な経験や記憶として残っていくことを願っています。

ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
これからも、子どもたちが自分で考え、選び、仲間と対話し、思いきり挑戦できる場をつくっていきたいと思います。


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