【サマースクール】「失敗は、自分の力になる。」ペットボトルロケットから生まれた4日間の学び

今年のサマースクールでは、子どもたちと一緒にペットボトルロケットづくりに挑戦しました。
空高く飛んでいくロケット。
一見すると、「どうやったら遠くまで飛ばせるか」という科学実験のように見えるかもしれません。
けれど、風のアオライが大切にしているのは、完成したロケットそのものだけではありません。
「やってみたい」を出発点に、自分で考え、試して、失敗して、また考える。
その過程そのものを、子どもたちの大切な学びとして捉えています。
目次
1、正解のないロケットづくり

ロケットづくりは、「どんなロケットにしよう?」というところから始まりました。
大まかな作り方だけを伝え、細かな形やデザインは子どもたちに任せます。
すると、そこには一つとして同じロケットはありませんでした。
ペットボトルを5本もつなげて、ながーいロケットをつくる子。
ロケットの発射台を自分でつくり、さらにロケットを飾れるように工夫する子。
「もっとこうしたい」
「こんなものをつくってみたい」
一人ひとりの「やってみたい」が、少しずつ形になっていきます。

大人が正解を決めてしまえば、きっと似たようなロケットが完成するでしょう。
でも、子どもたちの発想に委ねてみると、そこには一人ひとりの個性が表れます。
正解をつくるのではなく、自分なりの答えをつくる。
そんなロケットづくりから、サマースクールは始まりました。
2、失敗から始まる試行錯誤

今回のロケットづくりでは、日本のロケット開発を切り拓いた糸川英夫氏のペンシルロケットの話にも触れました。
戦後間もない日本。
試行錯誤を重ねながらロケット開発に挑み続けた糸川氏。
子どもたちにも、
「たくさん失敗して、間違えよう。それが、みんなの力になるよ。」
と伝えました。
そして、まさにその言葉通り。
2日目は、誰一人としてロケットを飛ばすことができませんでした。
それでも子どもたちは、
「なぜ飛ばなかったんだろう?」
「どうしたらもっと飛ぶんだろう?」
と、仲間と考え、試して、また考えます。

水の量を変えてみる。
形を変えてみる。
何度も試してみる。
そうして試行錯誤を重ねるうちに、3日目からは次々とロケットが空へ飛び立っていきました。
そして、ある子が友達のロケットが思うように飛ばなかったとき、
「いいんよ!失敗は自分の力になるんやけん!」
と声をかけていました。
その言葉を聞いたとき、私たちはとても嬉しくなりました。
「失敗は悪いこと」ではなく、「失敗は自分の力になる」。
その考えが、大人から与えられた言葉ではなく、子ども自身の言葉になっていたからです。
3、子どもたちの「やってみたい」を邪魔しない

子どもが何かに挑戦するとき、大人はつい、
「こうした方がいいよ」
「それじゃ飛ばないんじゃない?」
「こうすれば成功するよ」
と、先回りして教えたくなります。
もちろん、大人が正解を教えれば、もっと早く、もっと上手にロケットを飛ばせるかもしれません。
でも、そこには子ども自身が考える時間がありません。
風のアオライのサマースクールでは、大人が答えを与えるのではなく、子どもたちの挑戦に寄り添う「伴走者」でいることを大切にしています。
失敗してもいい。
うまくいかなくてもいい。
「じゃあ、次はどうしてみよう?」
と考えられる環境があるからこそ、子どもたちは安心して何度でも挑戦できます。
4、保護者の声から見えた、4日間の学び

4日間のサマースクールを終え、保護者の皆さまからたくさんの声をいただきました。
そこには、活動中の子どもたちの姿だけではなく、ご家庭に帰ってから見えた変化や、保護者の方が感じたことが綴られていました。
「プロセスの中の試行錯誤に面白みを感じる」
この夏、2つのサマープログラムに参加した息子の姿を見違えるようです。全てが順風満帆とはいかなかったはずですが、自分で考え抜き、仲間と協力し、やり遂げる事で分かりやすい結果よりもプロセスの中の試行錯誤に面白みを感じる手応えを掴めた事が大きかったのではないかと思いました。ずっちーもめいちゃんもスタッフの皆さんも一緒に参加したお友達にも大感謝です。
「遠くてもやっぱり行ってよかった4日間」
昨年が相当楽しかったようで、1年間待ちに待っての参加でした。反抗期?照れ?迎え後すぐにあれこれ喋ってくれた前回とは違い、今回は活動内容や感想については聞いてもあまり話してくれなかったけど、毎朝張り切って出発する様子から、しっかり楽しいと感じていることがよくわかりました。本人が話してくれなかった分、振り返りでずっちーとめいちゃんから聞かせてもらった様子には我が子ながら感心してしまいました。得た知識を生活で応用できる力、素晴らしいです。遠くてもやっぱり行ってよかった4日間。ありがとうございました!来年も楽しみにしています。
「家では見られないような真剣な表情」
サマースクールでは大変お世話になり、ありがとうございました。自分でいろいろと工夫しながらペットボトルロケットを作り、実際に打ち上げたことがとても楽しかったようです。家では見られないような真剣な表情や工夫する姿など、子供の新しい一面を知ることができ、親としても大変嬉しく思いました。貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。
「失敗しても大丈夫ということが体験できた」
どうしたら飛ぶんだろうと自分で何回もチャレンジしたというのは嬉しかったです。会話で検証という言葉が出てきて、この体験で染みついた言葉なんだなと思いました。失敗を恐れてやらないということが多かったので、失敗しても大丈夫ということが体験できて有り難かったです。
「楽し過ぎる」
どうしても外せない用事で、1日目の午後からの参加になってしまい、息子の苦手なもう出来上がった場に入らなければならないというシチュエーションで、とても心配したのですが、建物に入れたことに、まずは驚きました。2日目は、「夕方のお迎えで大丈夫」と言われ、もう仰天!ずっちーとめいちゃんの醸し出す空気に安心できているんだなと感じました。3日目の夕方、感想を聞いたら、「楽し過ぎる」と言い、とても嬉しかったです。また、広島原爆の日の「朝のカタリバ」で、ずっちーがロケットについてお話された際は、単に“戦争はいけない。戦争は悲惨“という論調ではなく、“技術は何のために使うか目的が大切”という趣旨だったことに感心しました。4日間という短い期間でしたが、息子は成長を見せてくれ、ずっちー・めいちゃんに息子の良いところを発見していただき、とても実りの多い時間でした。本当にお世話になり、ありがとうございました。
5、失敗できるから、夢中になれる

ペットボトルロケットは、何度も失敗しました。
けれど、その失敗があったからこそ、
「どうして?」
「じゃあ、こうしてみよう」
「もう一回やってみたい」
という次の挑戦が生まれました。
そして、その姿は4日間の活動の中だけで終わったわけではありません。
「検証」という言葉が日常に残ったり、得た知識を生活の中で応用したり。
失敗を恐れていた子が、失敗しても大丈夫だと思えるようになったり。
家庭では見られなかった真剣な表情や、新しい一面が見つかったり。
4日間の体験が、それぞれの子どもの中に何かを残していきました。
私たちが子どもたちに残したいのは、ロケットの飛距離だけではありません。

うまくいかないときに考えること。
仲間と対話すること。
自分なりの方法を試してみること。
そして、失敗しても「もう一度やってみよう」と思えること。
その一つひとつが、これから先、子どもたちが自分の人生を歩んでいくための力になっていくと信じています。
「失敗は、自分の力になる。」
今回のサマースクールで生まれたこの言葉が、子どもたちのこれからの挑戦を支える言葉になってくれたら嬉しく思います。
参加してくださった皆さん、そして子どもたちの挑戦を応援してくださった保護者の皆さま、本当にありがとうございました。


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